HOTEL

ヴァイスロイ バリの社交場〈アペリティフ〉 & 〈ピンストライプ バー〉へ

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ヴァイスロイのオーナーに「バリ島で一番のレストラン&バーを建てたから、見においで」と、招待してもらってから、少し時間が空いてしまったが、バリ島を訪れる機会ができたので、約10年振りにヴァイスロイを訪れる計画を立てた。

ヴァイスロイ到着

空港から北上すること約40km、王宮や市場のあるウブド中心地を更に北へ約3km。
水田に囲まれたホテルの正門を抜けると、以前は、ヘリポートを抜け、ホテルレセプションエリアまで一直線だった道は、枝分かれになって、新たな案内標識が増えていた。

真っすぐ進むとヴァイスロイのロビー、左側がアペリティフ

ウブドの森をかき分けるように建つコロニアル様式の建築物には、円形の車寄せが付いていて、クラシックな映画のワンシーンのような到着が実現できそうで、入り口からいきなり、心ときめくような設計になっている。

クラシックバリのホテルの雰囲気と対極の洋館がアペリティフ

車寄せでお迎えを待つ様子はクラシックな映画のワンシーンのよう

アペリティフ昼の外観

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レストランの内部へ

レストラン内部に入ると、セピア調で統一されたインテリアに絵画が飾られ、中心には、その内装に調和するような書体でデザインされたアペリティフのロゴが発光している。内部に足を踏み入れた瞬間から、1920年の欧州というコンセプトを直ぐに体感することができるのと同時に、ひんやりとした空調が心地よく、現代に生まれた嬉しさも感じられる。

重厚感溢れるレストランレセプションエリア

レセプションを抜けた先は、左右に清潔なテーブルクロスが敷かれた60席のテーブル席が広がっていて、右に進むと、オープンキッチンと、比較的大きめな宴会が行えそうな、ひらけたスペースがあり、両サイドを大きなワインセラーが彩っている。

白と黒を基調としたレストラン内

座席数が限られるレストランの中で、しかも、ほんの2時間弱の滞在で、なんと3組のゲストに、サプライズケーキが運ばれお祝いをしているのを垣間見た。そんな空間は、やはり特別なレストランであること、大きく捉えると、バリ島自体が、記念旅行に向いている旅先であることを、改めて感じさせられる。

記念日をサプライズで祝うペア席

隠し扉の奥のピンストライプ バー

この記事のタイトルに〈アペリティフ〉 & 〈ピンストライプ バー〉とあるように、ヴァイスロイには、ピンストライプと名付けられたバーが存在する。
道中の標識や、レストランのエントランスからも、その名が隠されたバーは、アペリティフのレセプションを左折し、今までのインテリアとは、明らかに異質なアールデコ調のドアがその入り口であり、これもオトナの好奇心をくすぐる仕掛けの一つだと感じられる。

アールデコ調の隠し扉がピンストライプバーの入り口

その扉を開くと、アペリティフより更に1トーン薄暗いながらも、間接照明が温かく、ビリヤード台やグランドピアノが飾られた空間が広がっており、直ぐに蝶ネクタイにベストを纏ったバーテンダーが迎えてくれた。店内には、Donald Fagenやボサノバ音楽が流れていて、ウブドにいることを忘れてしまうような、世界共通の上質さを醸し出している。

暗いながらも温かな間接照明

気さくで紳士なバーテンダーの黒のボウタイとベストには白のピンストライプが

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到着した時間がアペリティフのラストオーダーを過ぎてしまったため、通常、アペリティフで提供される料理を、ピンストライプバーで頂くことになった。3コースのメニューには、アペリティフ(食前酒)も付いていて、ドリンクは、アペリティフ ネグローニを注文した。
ここまでは、バリ島でなくても良いのでは?と思わされる程、オールドヨーロッパな気分に酔いしれていたが、島国らしいクラムチャウダーや、サンバルマタが乗ったステーキを口にすると、味覚から一気に、バリ島に到着したことを実感する。

食前酒はカンパリベースのカクテル(コースターにもピンストライプが)

海鮮エキスが凝縮されたクラムチャウダー

サンバルマタの乗ったビーフステーキ

濃厚なマンゴーのプディング

サンダルウッド(白檀)香るネグローニ

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バーカウンターで、空間と食事を満喫して、カウンター席を立つと、既に23:00を回っていた。
入店した21:30頃は疎らだった周りの席は、ほとんど満席となり、英語だけではなく世界各国の言葉が飛び交っていて、またどの時代の何処の国にいるか、感覚が麻痺してくる。

23時を回った頃でも賑わうピンストライプバー

心地よい陶酔感から、この場を後にすることが名残惜しく、インテリアや、他のゲストを目に焼き付けようと、バーの奥まで足を踏み入れると、ガラス戸があり、半屋外で喫煙も可能なスペースがあった。
ここから眺める景色は、ヴァイスロイの最大の売りである渓谷ビューで、ウブドに来ていたことを再認識することができ、明朝の景色が楽しみで、切り替えることができ、気が付けば、現代=店の外に戻っていた。

オープンエアーと自然の音が心地よい半屋外のスペース

ウブドの中で一等地の証である渓谷ビュー

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ヴァイスロイの本館はトラディショナルバリスタイル

ヴァイスロイ バリは、以前から、バリ島・ウブドらしいヴィラ滞在が愉しめ、世界中から数々の賞を受賞するような、正真正銘のラグジュアリーリゾートだった。
今回、そんなトラディショナルスタイルに軸を置くリゾートからは想像が出来なかった、新たなコンセプトのレストラン&バーが加わることで、滞在の幅が、大きく広がった。
現状に満足せず、常に新たなアプローチで、ゲストを驚かせ、喜ばせるという姿勢は、リゾートホテルのメッカであるバリ島ならではの光景で、リピーターが多い理由の一つである。

アペリティフ & ピンストライプバー(Apéritif & Pinstripe Bar)
Br. Nagi, Jl. Lanyahan, Petulu, Kecamatan Ubud, Kabupaten Gianyar, Bali 80571 Indonesia

営業時間
アペリティフ 18:00-22:30/ピンストライプバー 16:00-23:30