HOTEL

2024年新規開業<バリビーチホテル>

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1966年、バリ島発のリゾートホテルとして開業をしたグランド インナ バリ ビーチ ホテル。数えきれないほどの旅行客を魅了し続けた歴史あるホテルが、2024年バリ ビーチ ホテルとして変貌を遂げた。 新たな歴史を刻み始めた老舗ホテルの姿をご覧いただきたい。
バリ ビーチ ホテルは、インドネシア政府そして日本と深い関わりのあるホテルだ。
第二次世界大戦中、日本は石油などの資源を求めて東南アジア方面へ進駐。
1942年にはインドネシアを統治していたオランダ東インド会社を降伏させ、終戦までの3年間、インドネシアは日本の統治下となる。
1945年の日本降伏後、インドネシアは旧宗主国であるオランダとの独立戦争を経て、インドネシア共和国として独立。
日本政府は戦後の講和条約での取り決めにより、インドネシア政府に対して、戦後賠償金を支払うこととなる。
インドネシア政府は、この戦後賠償を利用し3軒のホテルの建設に着手した。
1軒目は、首都ジャカルタにある「ホテル インドネシア」。現在は、バリ島にも建つ世界的ブランド「ケンピンスキー」の名を冠し営業を続けている。
2軒目は、ジャワ島の古都ジョグジャカルタにある、「ロイヤル アンバルクモ」。王族の土地を使用し建設をされたホテルで、ホテル内の庭園には、王政時の名残を窺う建築物を目にすることができる。
そして3軒目が、今回紹介をするバリ ビーチ ホテルの前身である「グランド インナ バリ ビーチ ホテル」である。
このようにバリ ビーチ ホテルはインドネシア政府主導で建設をされたホテルであり、改装をされた現在もその影響を多分に垣間見ることができる。
例えば、このホテルの建つロケーション。建設地のサヌールエリアは、近年インドネシア政府によりヌサドゥアに代わる国際会議誘致の場として採択をされ、大型の会議場や、世界基準の病院が建設をされている。
この会議場と病院はバリ ビーチ ホテルに隣接をしており、これらの施設を含むエリアをインドネシア語で村を意味する「DESA」と当地の名称「SANUR」を掛け合わせた「DESANUR」と称している。
つまりこのホテルは、「DESANUR」のコンセプトのもと、国際会議開催の際にも大人数が宿泊可能なホテルとして改装をされているため、サヌールのホテルで最大の客室数を誇る。

圧倒されるスケールの広大なロビー

エントランスからロビーへ向かう通路の左右の岩は、ジンバランにあるGWK(ガルーダ ウィシュヌ クンチャナ)建設時に切り出した岩を使用している。

スカルノラウンジにある、インドネシア独立闘争を描いた彫刻

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ここまでの話では、バリ ビーチ ホテルは会議出席者などの団体客向けのホテルという印象を持たれるかもしれないが、あながちそうでは無い。
このホテルの特筆すべき点は2つ。
1つ目は、サヌールエリアで最も高層の建物であるという点、そして2つ目は、全部屋がオーシャンビューであるという点だ。
京都が景観保護のために建物の高さ制限を設けているのと同じように、バリ島でもヤシの木より高い建物を建ててはいけないという決まりがある。
実際にはヤシの木よりも高い建物は存在するのだが、街中を見渡すと4~5階建て程度の比較的低層階のホテルが多いことに気づくことができるだろう。
バリ ビーチ ホテルは、前身のグランド インナ バリ ビーチホテルが、この条例が施行される前に建設されたホテルのため、サヌール随一の高層階のホテルとなっている。
そして、ホテル棟の形状が逆Y字状になっているため、全ての客室からオーシャンビューを堪能することが可能。
あくまでも弊社調べとはなるが、サヌールエリアに建つホテルで自信をもってオーシャンビューといえる唯一のホテルだ。

デラックスルームから望むオーシャンビュー。正面に見える建物は併設のラグジュアリーホテル「ザ メル サヌール」。

エグゼクティブスイートから望むオーシャンビュー。どの部屋もオーシャンビューとなるのが、このホテル最大の魅力だ。

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部屋タイプはデラックスルームからスイートタイプまで6タイプの設定がある。
デラックスルーム、エグゼクティブルームはバスタブが無いものの、平米数がそれぞれ37㎡、55㎡あり、2名での宿泊には十分な広さが備わっている。

デラックスルーム キングベッド一例

デラックスルーム ツインベッド一例

デラックスルーム バスルーム一例

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スイートタイプのカテゴリーではバスタブ付きとなり、トイレも最新式のウォシュレット付きへアップグレード。
書斎スペースには、メルサヌールと同様のエスプレッソマシーンを備え、ラグジュアリークラスの滞在を堪能できる。

エグゼクティブスイート 1例

スイートカテゴリーはバスタブも備えている

ウォシュレット付きのトイレ

書斎スペース

エスプレッソマシン

バルコニーから望むオーシャンビュー

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朝食会場は、ホテルメインレストランのROSOレストラン。ジャワ語で「味」を意味する言葉で、レストランのコンセプトはインドネシア全土の味の提供。
そのコンセプト通り、朝食ではインドネシア各地の料理を堪能することができる。
インドネシア料理がメニューの中心となるが、その味付けはマイルドで外国人にも受け入れやすい印象。
お気に入りのインドネシア料理を見つけ、街中のレストランで試してみたい。

朝食会場のROSOレストラン

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キッズルームやジム、広々としたメインプールなど、家族連れのお客様にも嬉しい施設が満載。
サヌールの遊歩道を散策するためのレンタサイクルの貸し出しも行っている。

キッズルームでは毎日の無料アクティビティも催行

ジムの器材も豊富に揃う

広大なメインプール

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「古き良きバリの漁村」というイメージのサヌールであったが、ここ数年でその雰囲気が変わりつつある。
サヌールビーチの南北をつなぐ遊歩道が整備され、早朝にはサイクリングやジョギングを楽しむ人々も少なくない。
また、バリビーチホテルから遊歩道を南下し徒歩で15分程度の場所に、「アイコンバリモール」という新しい大型ショッピングモールもオープンし、旅行者で常時賑わいを見せている。
夜になるとサヌールの遊歩道沿いにはレストランやバーが軒を連ね、海の心地よい夜風を浴びながら静かなナイトライフを楽しむことができる。
今日のサヌールは、静かなホテル滞在を楽しむための素朴な雰囲気を残しつつも、ほど良く街歩きも楽しむことができる絶妙なバランスを保っている。
今後更に開発が進む可能性があることを前提とするならば、現在のサヌールはホテル滞在、街歩きを両立したい旅行者にとってはベストである。
今後のサヌールがどのような街に変貌をしていくか楽しみであるとともに、垣間見える素朴な雰囲気はこのまま残されることを願っている。

日没後のホテル外観

ビーチ沿いの遊歩道でサヌールを南北に行き来することが可能

ビーチ沿いはレストランやバーで賑わいを見せる

ホテルから徒歩15分程でアイコン バリ モールへ到着

モール内外観

バリ島の人気お土産店のひとつのクリスナ

スーパーマーケットでの買い物も可能

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