バリ伝統舞踊の鑑賞を終え、BGMで流れていたガムランの音が耳に残ったまま、モンキーフォレスト通りを南へ下っていると、薄暗に煌々と光る緑色のマーメイドの向こうに、イブ(インドネシア語で婦人のこと)が葉巻を加えた惹かれるデザインの看板を見つけた。

「食事か、バーの利用か」を尋ねられ、「お酒が飲みたい」と答えると、2階のバーカウンターに案内された。店内の奥にある階段までの道中、ホールを覗くと、心地よい照明と観葉植物が調和した異国情緒と、スモールラグジュアリーリゾートホテルで見るような大人のカップルや友人グループの人々が食事を終え、デザートやカクテルを愉しんでいる。

プールを横目に階段を上がり、二階の席に通されると、真っ暗闇にグリーンのネオン管とバーカウンターだけが浮かび上がる、よりプライベートな空間が広がっていた。一階のレストランスペースとはうってかわって、ナイトクラブのような雰囲気だが、重低音の音楽が鳴っているということもなく、しっとりした時間が流れていた。食事は済んでいて、歩いて喉が渇いていたので、モヒートを注文した。